今夏の我が家は何故かしらヘビが何匹も現れました。全員苦手。その中で僕しか男手が無く、3,4度ほど捕まえては袋に入れて車を走らせ数百メートル先の田んぼの草むらへポイ。シマヘビは悪いことしませんから、少しは慣れて、判別もつくようになりました。が、お客様の蜜柑畑へと続く険しい山道を走って下っていたある日。左足で地面を蹴って右足を着く瞬間、着地予定地のすぐ右に緑色をしたそこそこ大きなヘビがっ!ヘタにバランスを崩してぶちこけたら最悪だし、どうすることもできず、右足に全体重を乗せ着地したもののその生物は驚く様子も無く身じろぎ一つしません。僕はそのままスピードを上げ去りました。山育ちのウチの若いし曰く「アオダイショウでしょう」とのこと。夢に出たよぉぉぉ・・・
やがて短い秋も終わりつつある今日この頃。
「ヘビや~!」
と甥っ子の叫び声。 こんなに朝晩冷え込むようになってまだシマヘビかー。とりあえず居場所だけ確認して袋取ってこようかとドアを開けた1m先にいたのは、は明らかに違うマダラ模様の赤くずんぐりした50センチはあろうかというヘビ。尖った頭。
「ハミや!絶対近付いたらいかんで!!」
ハミとは、主に西日本で呼ばれる、マムシのこと。ハメとも言います。山へ行ったことのある人なら1度や2度は遭遇したことがあるかもしれませんが、周りが田畑とはいえ、家で見掛けるとは・・・怖がっていても仕方がありません。まず建物に入らぬよう全ての戸をちゃんと閉めたあと意を決し甥っ子に離れた場所で見守っているように伝え、ハミの脇をさっと通り抜け、仕事でたまに使う2mくらいの太い鉄の棒を持ってきました。ネズミなどを駆除してくれるシマヘビを殺す気は毛頭ありませんが、毒蛇を捨て置くわけには行きません。そうこうしている間にも彼奴は移動したようで、戻ってきたところで
「中に入りゆうで!」
と叫ぶ甥っ子。まさかドアを閉めたはずなのに、外壁の隙間から・・・?ではなく、ドアのせり出し部分のしたに上半分潜り込んでいました。少々狭いが、狙いの付けやすい絶好のチャンス。棒の平べったくなった方をハミの頭の手前10センチほどに構えます。そして渾身の力で付き込みました。手応えはありましたが、続け様にもう1度。のた打ち回り出した頭をグリップエンドで叩き潰しました。ハミってね、それでもしばらく生きてるんですよ。ようやく動かなくなってから恐る恐る処分しました。前のおんちゃん曰く「ハミはつがいでおるき、もう1匹おるかもしれんで。気をつけちょきよ」といわれ、戦々恐々。2月ほど前の大雨で流されてきたのではと希望的観測をもちつつ、ヘビをはじめ害虫への忌避効果があると言われる木酢酸を高濃度で散布。くっさー。家族からクレームが来るが、ハミに噛まれるのとどっちがいい?と説伏。しばらくはうかつに外へ物を置いたり、それを取ったりするのは控えないと・・・
先生如何でしょう?