プーリーを固定している頭が10mmの短いボルト4本を緩めようとするとプーリーが空転してしまい、うまくボルトに力が掛けられずイライラした経験は整備士なら経験がおありだと思います。。
Vベルトを使ったりしたプーリーの回り止め工具もありますが、工場長から特殊工具を使わず緩められる便利な方法を教えて貰いました。
用いるのは2本のストレートメガネ。僕の場合、1つはシグネットの超ロング10mm&12mm、もう1つは10mmのギヤレンチ&メガネを使いました。
写真のようにセットします。
ここでは右下のボルトを緩めようとしています。10mmメガネ(以下「イ」)を当該ボルトにセット。このままメガネを回そうと力を加えると反時計回りの力が加わり、プーリーも一緒に回っちゃうので、その力に抵抗する回り止めとして対角線上にある左上のボルトに12mmメガネ(以下「ロ」)を掛け(ここがミソ)、角度をうまいこと調整して、「ロ」の柄の先が「イ」のメガネ部に当たるようにします。
この状態で、「イ」は半時計方向に回し、、「ロ」は「イ」の力を打ち消すべく時計回りに力をゆっくり掛けていくとボルトが緩みます。上の写真に注釈をつけると下図のようになります。
「ロ」から見た場合、工具を握った部分が力点、対角線上ボルトにセットしたAが支点そして「イ」と接するBが作用点となり、回り止めとなるわけです。
12mmを使うのは、ボルトの頭より穴が大きいことで、微妙な角度の調整ができるからです。図で見ればなるほど~ですが、最初に編み出した人は偉い!コロンブスの卵であります(知らなかったのは僕だけ?)。なお、締める時はセット位置を左右逆にするだけでOK。
やってて気付いたのですが、最初の3本を緩めるまでは、メガネは2つとも10mmを使い、先と同じように対角線にセットして回せば、回り止め側のセッティングに気を遣わなくても簡単に緩められます。
で、最後の1本だけ先ほどのやり方でフィニッシュ。回り止め側は締める方向に力を加えるため、ボルトをねじ切らないよう注意が必要です。でも、小さなボルトですからそれほど固く締まってることも考えにくく、慎重にやればその心配は無いと思いますがそのあたりは経験と勘の見せ所!外ベルトが掛かった状態なら抵抗が大きいしなお安心かも。
先生如何でしょう?